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キャットフードは同じものだと飽きる?

「毎日同じ銘柄のフードばかりで飽きないかな? かわいそうじゃないかな?」愛猫家なら一度は抱く疑問でしょう。
「それって偏食ってことだよね? 猫の健康に良くないのでは?」そう思う気持ちも痛いほどわかります。
果たして同じキャットフードを与え続けると猫は飽きてしまうのでしょうか? 
食いつきが悪くなったとしたら、それは猫からの「もう飽きた。たまには違うものも食べたい」というサインなのでしょうか?

同じ銘柄のフードを与え続けることの是非を考える前に、実例として筆者の愛猫の食生活を挙げてみましょう。猫種はペルシャ、2016年の4月で満12歳となる去勢手術済みの男の子です。
彼は去勢猫がかかりやすいストロバイト結石の持病があり、獣医師処方の療養食しか与えることができません。長年(尿疾患の症状が出て、療養食を処方されてからの約十年)延々と同じドライフードを食べ続けているわけですが、未だに定量をきちんと平らげます。
そして現在まで尿疾患の発作を起こさずにきています。

これはひょっとしたら、彼が療養食以外の食べ物を(幼少期以外は)知らないからかも知れません。
よく「猫が食に飽きっぽくて困る」と悩んでいる飼い主がいますが、そういう人に限って気まぐれであれこれフードを変えたり、キャットフードおやつを与えたり、人間の食事を分け与えたりしていることが多いのです。
猫は忘れっぽい動物だと言われますが、一度でも人間の食事を分けてもらうと、それをきちんと記憶します。
また人間がそばで食事をしていると美味しそうに見えるのか、自分の食事を止めても人間の手から料理をもらおうとします。
そういった癖が、与えられたキャットフードを途中で放り出してしまう結果を招いているのかも知れません。

これは「外飼い」「室内飼い」の習慣にも似ています。
一度外の世界を知ってしまった猫を室内に押し込めるのは時としてストレスになる場合があります。
しかし生まれてから一度も家の外に出た経験のない猫にとって外の世界は存在しないか、あるいは『映像』であって、そこに身を置けないストレスを感じることはありません。
フードも同じです。
一つの食べ物しか知らなければ、飽きることはないのです。
適切な環境で生産され、適切に保存された消費期限内のフードであれば、栄養が偏ることもありません。
人間側の勝手な感覚で、偏食を心配する必要はないのです。

以上のことから、愛猫がこれまで食べていたフードを残したり食べなくなった時は「飽き」より、健康上のトラブルを疑ってみてください。
一口にトラブルと言っても、内臓疾患、血液疾患、ウィルスや寄生虫の感染、毛球症、虫歯、加齢による食事量の減少や咀嚼力の衰えなど、さまざまな要因が考えられますので、早めに獣医師に相談することをお勧めします。