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マグロのキャットフード

某ファーストフード店の賞味期限切れ鶏肉問題に見られるように、私たち人間の食べる食品すら絶対の安全性などありません。
ましてやペットフードとなると、平成21年6月にようやく「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されたという状況です。
評判のペットフード、特にマグロを原材料としたものを挙げようにもランク付けできるのはせいぜい売れ筋商品、つまりいくつ数が売れたかということだけで、安全性などは自信を持って公表できるデータがありません。そこでここでは製品の優劣ではなく、猫にマグロのキャットフードを与えるメリット、デメリットについて考えたいと思います。

マグロが使われているキャットフードの多くはウェットタイプの、いわゆる猫缶です。
よく人間が刺身として買ってきた生のマグロを猫に与えている動画などが見受けられますよね。
非常に嬉しそうに食べるのを観るのは微笑ましいものですが、一般には猫に生魚を与えるのは、ビタミンB1(チアミン)を破壊する酵素が多く含まれていることから、好ましくないと言われています。
人間の場合はビタミンB1が多少壊れても野菜など他の食材を食べることで補うことができますが、猫にはそれができないからです。

この点、加工食品である猫缶に使われるマグロは熱処理されていますので問題はありません。
ネット上で問題視されているのは、そこに保存料や着色料、中味のかさを増すための穀類(肉食の猫にとっては栄養素として何の意味もない)、食いつきを良くするための香料や油脂(粗悪な品質の物が多い)、ひいては便を固める成分まで、さまざまな添加物の配合が疑われる点です。
また海外で加工されている製品の場合、容器となる缶の品質の悪さ(内側のコーティングが弱く、金属成分が溶け出したり、中味が傷んでいたりする)や、加工工場そのものの衛生に対する不安感です。
また原材料となるマグロがどこで獲れたもので、そのマグロのどのような部位がどんなルートで、獲れてからどの程度の期間で製品化されるのかが全くのブラックボックスであることも不安感をあおる要因となっていると思われます。

そんなわけで、猫にマグロなど生魚を材料としたペットフードを与えるメリットと言うのは、実は特筆すべきものがあるわけでなく、飼い主、つまり消費者としての私たちがマグロに親しんでいるので売りやすいという程度のものと言えるでしょう。
これは欧米では猫缶と言えば牛や豚を始めとする食肉が中心であることからも、ある程度察することができるでしょう。
むしろ素材がマグロだからということではなく、水分が不足しがちな猫の食生活に、ウェットフードが良いという程度のものと考えた方が良さそうです。

私たちが口にする食材に関しても、身体にいい、悪いなどという学説はコロコロ変わりますし、ショートニングなどの危険性に対する判断も国ごとに違います。
大手メーカーの製品だからといって消費期限や産地の偽装がされていないという保障はありません。
我々はただパッケージに表示された成分表の正しさと、品質管理試験がきちんと行われていることを信じるしかないのです。
ましてやペットフードは安全法が施行されてからまだ六年足らず(平成27年2月現在)しか経っておらず、まだまだ改善の余地があるでしょう。
マグロを使用したキャットフードを確かに猫は喜びますが、与えた後の猫の体調の変化を観察し、あまりにも安く投げ売られている製品は避けるなどの自衛策が必要と言えます。

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